オーストラリア留学中に日本風の弁当を食べることができた話

かれこれ20年近く前、オーストラリアの某大学に留学していた時期の話です。週に数回だけですが、昼食に日本風の弁当を食べることができました。それも、大学のキャンパス内でです。販売場所も不可思議でした。なぜかテニスコート脇の小さな売店で売られていたのです。日本人の友人から「キャンパス内で日本の弁当が売られている」といううわさを聞いたときは信じられませんでした。販売されていたのは、日本のスーパーなどにある弁当そのものです。ウインナー(タコの形になったもの)と卵焼き、それに鶏の唐揚げとカマボコ、昆布巻きが入っていて、白米の上には味付け海苔が載っていました。まるで今さっき日本から持ってきたばかりのような雰囲気です。当初は、なぜこのような弁当が売られているのかが不思議で仕方ありませんでした。わけの分からないまま弁当を求めて売店に通い詰めるうち、ある日、弁当が売店に配達される光景を目にします。弁当をかかえてやってきたのは、ごく普通の日本人のおじさんでした。決まった曜日だけ、昼前になると日本人業者が弁当を持って現れるのです。ただ、数量が10個程度と極端に少ないため、すぐに売り切れてしまいました。運よく買えるのはせいぜい毎週3回でした。しかし、日本人だけでなくオーストラリア人までもがこの弁当を買い求める姿を見て、ほほ笑ましさを感じたものです。