オーストラリア人から日本の歴史を教わった話

オーストラリアに留学していた期間中に、オーストラリア人の先生から日本の歴史を教わるという体験をしたことがあります。留学先は某州立大学の修士課程で、専攻は英語・日本語間の通訳・翻訳学です。すぐに専門的な勉強に入ったわけではなく、1年目の前半に教養科目的なクラスをいくつか受けました。そのなかで特に印象深かったのが日本近代史です。主に戦後史についてオーストラリア人講師から教わりました。最初は違和感がありました。違和感の根元にあったのは、二つの疑問です。一つは、一応日本で大学までの教育を受けてきたのに、今さら何で歴史の勉強をやり直すのかという疑問でした。もう一つは、骨の髄から日本人の自分が、なぜオーストラリア人から日本の歴史を教わらないといけないのかという疑問です。そのため、当初は「新しい発見などないだろう」と高をくくっていました。ところが、それは見当違いでした。意外にも、日本で教えられているのとはひと味違った見方を知ることになりました。目から鱗が落ちるような思いの連続で、授業のたびに「なるほどそういう解釈ができるのか」と新鮮な驚きを感じたものです。日本でもアメリカでもない、オーストラリアという第三の視点から日本の歴史を見直したことは、極めて貴重な体験となりました。